バーレーン・インターナショナル・サーキットの“アウター・サーキット”で行なわれたF1サクヒールGP初日の主役は、間違いなくジョージ・ラッセルであったと言っていい。ウイリアムズのレギュラードライバーであるラッセルは、新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンに代わって急遽メルセデスをドライブすることになったが、フリー走行1回目でトップタイムを記録した。
2014年以降最強を誇るメルセデスのマシンとはいえ、急遽招集されたラッセルがいつもと異なるマシンを駆っていきなり印象的なパフォーマンスを見せたことには驚きの声も上がっている。しかしこれに対してメルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは、チームメイトのバルテリ・ボッタスがマシンにダメージを抱えていたなど今回の結果には考慮すべき要素がいくつもあるため、人々に冷静になるよう求めた。
「新しく、短いサーキットでの初めてのセッションだったので、我々は皆を落ち着かせる必要がある」
FP1を終えて、ウルフ代表はそうコメントした。
「彼はしっかりとした仕事をしてくれたし、1周のタイムという点で期待通りの働きをしてくれた」
「ロングランを走るのはどのマシンも難しいし、バルテリ(ボッタス)がセッションの段階でマシンを壊してしまっていたので、ベンチマークを設定するのは難しいんだ」
「とにかくジョージのしてくれたことには満足しているし、我々の期待通りだった」
ラッセルは2016年末からメルセデスの若手ドライバープログラムに参加しているが、彼はメルセデスのワークスチームでレースを戦う、初めての同プログラム出身ドライバーとなる。
また、戦闘力の低いウイリアムズのマシンをドライブしていることもあって未だ入賞のないラッセルだが、2017年にGP3(現FIA F3)、2018年にFIA F2のタイトルを獲得するなど“エリート街道”を通ってF1へと昇格してきたドライバーであり、2019年のデビュー以降は予選で一度もチームメイトに敗れていないなど、非凡な才能を見せている。
ウルフはラッセルの才能とメンタリティがこれまでのキャリアを通して証明されているとして、上位チームのマシンに乗ってプレッシャーに対処することに関しては何ら問題がないと感じている。
「彼は全体的にリラックスした人間なんだ」とウルフ代表は言う。
「彼は無線ではおしゃべりで賑やかな人間に見えるかもしれないが、マシンをドライブしている時やデブリーフィングの時は、非常に集中していて落ち着いているんだ」
「GP3とF2を共にルーキーイヤーで制したという記録面に加え、幼い頃から成熟したところを見せてきた精神面も際立っている」
「15歳か16歳の頃、彼は黒いスーツに黒いネクタイをして私のオフィスに出向き、なぜメルセデスが自分をサポートすべきなのかパワーポイントを使ってプレゼンしたことを覚えている。あの年にしては相当成熟していた」
「もしかすると、こういったプレッシャーのかかる場面でマシンに乗るのは、彼の性格的にも適しているのかもしれない」
「まだFP1だ。現実的になろう。我々はまだ話し合ってもいないし、レースもしていないんだ」
なお、ラッセルはその後行なわれたFP2でもトップタイムを記録。走行初日を完璧な形で締めくくった。
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