それぞれに記録がかかっている
ここまでのダービーの軌跡をたどると思い出すことがいくつも出てくる。その中で一番大きいのが、ダービーを5回も勝っている武豊騎手のことだ。それ以前は、3勝することすらむずかしいと言われていたのが、1998年にスペシャルウィークで初めて勝つと、アドマイヤベガ、タニノギムレットと5年間で一気に3勝を史上初めて達成し、これにディープインパクト、そしてその産駒のキズナと加え、前人未踏のダービー・ジョッキーの道を突き進んでいる。
そして今年は騎手になって36年目、ダービーに騎乗するのが33回目で、20代、30代、40代と勝ってきて、今度はクラシック及びダービーの最年長勝利の記録がかかっている。
今でもはっきり思い出すのが、10度目の騎乗で初めて勝ったスペシャルウィークのことだ。弥生賞1着、皐月賞は大外枠で追い込み切れず3着だったが、レース後のインタビューでめざすダービーへの自信を深めているのが伝わっていたので、本番のレース実況ではこちらも確信みたいなものがあったのだ。
そして翌年も勝って連覇となり、迎えた2000年、3連覇をかけ皐月賞馬エアシャカールでのぞんでいた。大外から力でねじ伏せた皐月賞の勝ち方が極立っており、ダービーでは単勝2.0倍の圧倒的人気を背負っていたが、レースでは、直線先頭に立ってゴールをめざすところに、外からアグネスフライトが追い込んできて、わずかハナ差で優勝をさらってその野望はくだかれていた。
45歳の河内洋騎手、ダービー挑戦17回で執念の勝利と新聞で書き立てられたが、アグネスフライトは前走京都新聞杯を勝ってわずか5戦目だった。このケースで勝った最初のダービー馬で、以後、京都新聞杯を東上最終便と呼ぶ声は高まっていった。
武豊騎手は今年はダービー6勝目をめざしドウデュースに騎乗している。朝日杯FSを勝って最優秀2歳牡馬に選ばれた時点で、めざすはダービーとここまできている。
今年に入り弥生賞が2着、皐月賞が3着と勝ててはいないが、あのスペシャルウィークのときと同じで内心手応えを感じているのではないかと思えてならない。
東京ではアイビーS 1800米を勝っているし、なにより落ち着きがあるので距離は延びても大丈夫だろう。皐月賞で見せた最速の切れ味を武器に、どう戦うか、今年の最大の見所と思っている。
そしてもうひとつ、ダービー3連覇のかかる福永祐一騎手だ。皐月賞1着のジオグリフは好スタートを切れていいポジションを取れたのがよく、持ち味の長くいい脚を使っていたが、レースセンスがあり完成度の高さが印象に残っている。新種牡馬ドレフォンは、アメリカで短距離で活躍していたが、福永騎手の手の内でさらなる可能性をどう出してくれるか。実績なら一番なのだから。とにかく、ダービージョッキーは特別なもので誰もがめざす一戦だ。
「夢かなう 桧舞台を 駈け抜けて」
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