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Sunday, May 30, 2021

【日本ダービー】岡部幸雄氏が騎手心理を読む - サンケイスポーツ

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 騎手時代に日本ダービーでもファンを沸かせた岡部幸雄氏(72)が今年の競馬の祭典を分析した。皐月賞馬エフフォーリアには最有力候補と評価した一方、人気ほど抜けていないと指摘。“良馬場の東京芝2400メートル戦に強いディープインパクト産駒”、“経験豊富なジョッキー”の2つをキーワードにサトノレイナスなど3頭に注目した。

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 デビュー4連勝で皐月賞を制したエフフォーリアが最内の(1)番枠に入った。近年の日本ダービーはいい馬場状態で行われることが多く、距離ロスがないインを通れる馬が有利。先行力があるエフフォーリアには好枠で、実績、血統面から東京芝2400メートルへの適性も伝わるので最有力候補なのは確かだろう。

 コンビを組む22歳の横山武史騎手は中央競馬史上、最年少でのダービー優勝という記録が懸かる一戦。最近の成長は顕著で、GI初制覇となった皐月賞も周りがよく見えていると感じさせる騎乗ぶりだった。いろいろな記録が塗り替えられている昨今、最年少ダービージョッキーが誕生しても不思議はない。

 それでも、経験が豊富なジョッキーたちも簡単には勝たせないと策を練ってくるはずで、実際、人気ほど他の馬も力差はないと感じている。特に良馬場の東京芝2400メートル戦で強さを発揮してきたディープインパクト産駒が粒ぞろいで、そのなかでもまず(16)サトノレイナスに目が行く。

 同じ距離のオークスが1週前に組まれているため、牝馬のダービー出走はまれだが、最近の強さを見れば侮れず、サトノレイナスの戦績も2007年に優勝したウオッカとほぼ遜色がない。1600メートルを超える距離を経験していない馬の優勝はないそうだが、数々の常識が破られているのが今の競馬。むしろ、一気の距離延長で大きく変わる可能性もある。

 鞍上が今年もリーディング首位を走るクリストフ・ルメール騎手という点も頼もしい。外枠でも、彼なら早めに内に潜り込んで脚をしっかり温存させる技術を備えている。

 常識が破られているという点では(10)シャフリヤールも気になる。3月末の毎日杯を日本レコードタイという速いタイムで優勝し、そこからの直行。同じローテーションでは18年にブラストワンピースが5着に敗れており、この馬は距離経験も1800メートルのみだが、近3年でダービーを2勝している福永祐一騎手の騎乗が興味深い。エフフォーリアには2月の共同通信杯で対戦して3着に敗れているが、1度だけでは勝負づけが済んだとはいえない。

 (5)ディープモンスターはダービー歴代最多5勝の武豊騎手が手綱を取る。ダービーの勝ち方も、その難しさも一番知っている彼は皐月賞(7着)は右足の骨折で騎乗できなかった経緯もあり、期するものがあるはずだ。(元JRA騎手)

■岡部幸雄(おかべ・ゆきお) 1948(昭和23)年10月31日生まれ、72歳。群馬県出身。67年3月に騎手としてデビューし、2005年3月の引退までに中央競馬でマークした2943勝は歴代2位。勝利数は武豊騎手(29日現在4270勝)に抜かれるまで12年6カ月間1位だった。日本ダービーは26回騎乗し、84年シンボリルドルフでの1勝の他、2着6回、3着3回。95年から引退まで日本騎手クラブ会長を務めた。14年に“競馬の殿堂入り”。昨秋の叙勲で旭日小綬章を受章。僚誌週刊ギャロップで「名手の競馬学」を連載中。

★日本ダービーの出馬表はこちら 調教タイムも掲載

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