厚生労働省が47都道府県で9番目に医師が少ない「医師少数県」と位置付けた静岡県。県全体の医師数が少ない一方で、医師の偏在も解消されない状態が続く。県は13日に発表した2020年度当初予算案で、大都市部で退職する病院勤務医に県内での再就業を促す仕組み「ドクターバンク」設置など医師確保対策を強化した。「団塊の世代」が高齢化して医療需要が増す2025年問題を目前に控え、医療人材の確保が喫緊の課題になっている。
人口減少と超高齢化が進み、65歳以上が全人口の半数近くを占める伊豆半島南部の賀茂地区。開業医の高齢化も進んで診療継続が難しくなり、地域に根差した診療所が閉院する事例が近年、相次いでいる。賀茂医師会の池田正見会長(65)=西伊豆町=は「今もギリギリでやっている。今後、閉院が増えれば、地域医療への影響は大きい」と懸念する。
ドクターバンクは県内外で退職した病院勤務医や出産・育児で休業していた女性医師らに、県内の病院や診療所で再び働いてもらえるように調整するシステム。県内で働きたい医師にインターネット上で登録してもらい、医師を求める県内の病院や診療所とマッチングする。委託先の県医師会に調整役のコーディネーターを配置。廃業予定の診療所に再就業する開業医を呼び込むことも想定する。
特に医師数の少ない「医師少数区域」に分類された賀茂、富士、中東遠の3医療圏を念頭に、県は新年度も「政策を総動員して医師確保に取り組む」(地域医療課)構えだ。医学生が医師少数区域で一定期間勤務すれば、奨学金返済を免除する制度を充実させたり、医師少数区域で半年以上研修を受ける若手医師の研修費を支援したりする新たな取り組みも始める。
池田会長はドクターバンクを「有効な方法だ」と評価しながらも、若手医師が都市部の病院と過疎地の診療所に交代で勤務できる仕組みの構築などを提案。地域医療維持に向けた危機感は強く「一つの施策で問題は解決できない」と訴える。
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February 14, 2020 at 06:02AM
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医師確保へ「バンク」設置 退職勤務医、産休女医ら再就業促す|静岡新聞アットエス - @S[アットエス] by 静岡新聞
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