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Thursday, May 28, 2020

少数民族のためにカメラを手に取った。写真家・ヨシダナギ、夢を叶える「手段」の選び方 - Forbes JAPAN

英語は喋れない上、治安は著しく悪い。人生初のアフリカは困難の連続だったが、アフリカへの想いは強くなった。

「アフリカ人全員がウィル・スミスのように見えるんです。少数民族だけでなく、ドライバーも町の住人もみんなカッコよかった。5歳の一目惚れの衝撃もずっとあるから、どんな嫌なことをされても許しちゃうんですよね」

アフリカに再び惚れたヨシダ。イラストレーターを続けながら、アフリカ渡航前の1ヶ月間は銀座の高級スナックホステスをし、渡航資金を貯めた。そして約4週間のアフリカの旅を年に3〜4回繰り返す。 写真を撮るようになったのもこの頃だった。

「私、記憶力があまりなくて。アフリカの素敵な人たちとの出会いを忘れてしまうのが、勿体ないと思ったんです。旅の記録としてはじめたのが写真でした」

こうしてフォトグラファーとしての人生が意図せず始まっていた。アフリカの少数民族の写真を撮り、気が向いたらブログに載せる。鬱屈としていた人生にも陽が差し込んできた。

「アフリカに行くと、生きている実感がすごく湧きました。アフリカでの生活はあまりに大変だから、普段感情の起伏がすくない私が泣き喚いたり、歯を食いしばったりする。でも嫌じゃなかった。すべてが新鮮に思えたんです」

29歳までそうして生活は続いた。気づけば20カ国は回った。しかし、我が道を歩き続けるヨシダにもある感情が芽生えはじめた。焦りだ。

「母や父から『このまま30代になるのは心配。一度くらい会社に務めたらどうか』と諭されていました。それでも気にせずアフリカに行っていたら、親戚からも『ナギちゃん、一度しっかり働いたら?』って連絡がくるようになって。自由気ままに生きていた私も『あれ、このままで本当に大丈夫かな?』と不安になりはじめたんです」

集団生活は苦手、嫌なことはできない性格。オフィスワークをしてもすぐ辞めるのはわかっている。でも現状から抜け出す方法はみつからない。そんなとき、ヨシダの道を照らしてくれたのは銀座のスナックに通っていた常連客の一言だった。「世の中不思議なことにね、いちばんお金をつかった趣味が仕事になるんだよ」。進むべき方向が、はっきりと見えた。

「これからも、アフリカにすべてを注ごうと思いました」

変わらなかった日常は少しずつ動き始める。ヨシダはあるとき、アフリカの少数民族の写真にレタッチを大胆に施す、現在につながるスタイルを試みた。その写真をSNSに掲載したところ大きく拡散されたのだ。

そして、SNSのバズをきっかけに転機が訪れた。人気TV番組『クレイジージャーニー』の出演依頼である。ヨシダは迷わず快諾した。

番組放映後、アフリカの少数民族と同じように服を脱いで心の距離を縮める姿、鮮やかでダイナミックな写真は大きな反響を呼んだ。しかしヨシダにとってもっとも意味を持ったのは、「フォトグラファー」として紹介されたことだった。

「写真は気まぐれな趣味の一つでした。TV、そしてアフリカ人によって、フォトグラファーという職業を与えられたんです」

今ではフォトグラファーとして第一線で活躍するヨシダ。2020年は、新しい一歩を踏み出した。ドラァグクイーンの作品集『DRAG QUEEN -No Light, No Queen-』の発表だ。ドラァグクイーンとは、サブカルチャーとしてのゲイ文化から生まれた異性装をする人(パフォーマー)のこと。ヨシダはなぜ、新境地へ踏み出したのか。

「アフリカの少数民族を撮影しつづけるには、写真家として、新たな被写体を撮影しなければいけないと思いました。でも私が本気で惚れ込めないと、被写体の魅力を引き出せないこともわかっていました。ずっとその対象を探していると、ある瞬間、『ドラァグクイーンを撮ろう』と思って。まるで彼らにウインクされたようでした」

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