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Thursday, August 6, 2020

【エルムS】少数精鋭のハーツクライ産駒を狙え 東大HCが札幌ダ1700mを徹底検証 - ガジェット通信

【エルムS】少数精鋭のハーツクライ産駒を狙え 東大HCが札幌ダ1700mを徹底検証

コース紹介

札幌ダ1700mは、ダートコースをぐるっと一周するコース形態。ホームストレッチをスタートしてから200m余りの短い直線を走ると早くも1コーナーに差しかかり、向正面にほんのわずかの坂があるもののほとんど平坦な道のりを進む。特徴的な円状のコースの3・4コーナーを曲がると270m程度の最後の直線が待ち受ける。
当該コースの重賞は真夏のダートGⅢエルムS(ちなみに第1回は「シーサイドS」というレース名。勝ち馬は懐かしのキョウトシチー)のみだが、平場で施行回数の多い条件とあってコースデータを頭に入れておくと役に立つ場面が多々あるだろう(使用するデータは2015年8月8日〜2020年8月2日)。

札幌の大地に青が映える

札幌ダ1700m・過去5年の枠別成績ⒸSPAIA

おおむねこれといった有利不利は見当たらないが、勝率が高いのは3・4枠。特に4枠は単回134%・複回100%とベタ買いでプラスなのが強調材料だ。極端な枠よりもイメージ通りの競馬がしやすいケースが多いのが要因か。札幌ダ1700mで施行された過去21回のエルムS(以降「過去の札幌エルムS」と表記)でも4枠が実に7勝をもぎ取っていて、近年では15〜17年で3年連続連対、昨年のサトノティターンが3着。青帽を引いた馬には注意を払うべきだろう。
一方外枠の勝率は芳しくなく、全般的に回収率も低調。エルムSでは8枠の人気馬があまり信頼できず、過去の札幌エルムSでは8枠×3番人気以内が【0-1-1-9】複勝率18.2%と苦戦傾向にある。ジェベルムーサ、ソロル、クリノスターオー、昨年のリアンヴェリテあたりが馬券圏外に沈んでおり、人気馬が桃帽を引けば疑問視が適当だろう。

札幌ダ1700m・過去5年の脚質別成績ⒸSPAIA

先行有利のダートとはいえ、圧倒的に前目で運べる馬の成績が良いこと、そして差し・追込の凡走率の高さには驚く。札幌競馬場のカーブは緩やかなため、後ろからレースを組み立てる馬にはかなり厳しい条件といえる。近5年のエルムSで馬券になった15頭中13頭が4角5番手で通過しており、逃げ先行かジェベルムーサのようにマクりの利くタイプを買うのがセオリーだ。
逆に過去の札幌エルムSで4角7番手以下から勝った馬はおらず、2・3着に広げてもたったの6頭しかいない。該当馬も01年トーホウエンペラー(2着・東京大賞典とマイルCS南部杯勝ち)・04年タイムパラドックス(3着・ダートGⅠ5勝)・18年ミツバ(3着・川崎記念勝ち)をはじめ、ダート重賞勝ち馬などほとんどが力が違った馬ばかりだった。昨年4角9番手から3着に入ったサトノティターンのように屈指の末脚がなければ後方組はなす術がない。

少数精鋭のハーツクライ

札幌ダ1700m・過去5年の種牡馬別成績ⒸSPAIA

単回127%を誇るハーツクライが最多勝。出走頭数が決して多くない中で勝ちを積み重ねており、今年も平場に4頭出走して【2-1-0-1】連対率75.0%と絶好調だ。
エルムSに出走するメンバーでは1番人気濃厚のタイムフライヤーと名古屋大賞典勝ち馬ロードゴラッソが該当する。特にロードゴラッソはハイレベルメンバーの東京大賞典で5着の実績があり、先行タイプなのも強み。前走出遅れでベストなレースができなかった分の不当な人気落ちがあればチャンスだ。
2位のキングカメハメハは単回こそ45%にとどまるも複回は131%とプラス、下級条件でさすがの走りを見せている。唯一の懸念条件は近5年×2勝クラス以上で【0-0-2-24】と連対がない点。前走のプロキオンSで復調気配を見せたエアスピネルの走りに注目が集まる。
その他エルムSに出走はないもののシニスターミニスター産駒が4割近い複勝率をマークしており、平場では頼りにできる。対照的にアイルハヴアナザー産駒は単回30%と馬券のアタマでは狙いにくい。

札幌ダ1700m・過去5年の騎手別成績ⒸSPAIA

騎手データではやはりルメール騎手が頭抜けている。2番人気以内×継続騎乗では【13-3-3-4】勝率56.5%・複勝率82.6%と驚異的な数字を残しており(さらに前走2番人気以下では【6-2-2-0】)、今年の夏重賞で凡走が続いているルメール騎手とはいえ、上記のデータに該当するタイムフライヤーに逆らうと痛い目を見るかもしれない。
アディラートに騎乗する吉田隼人騎手の成績も良く、単回97%・複回105%に加えこちらも継続騎乗で好走率を向上させている。函館記念・クイーンSを二桁人気で勝ち、今年の北海道開催で大暴れしている騎手の勢い、前走マリーンS3着に頑張った馬の勢いが高配当をもたらす可能性に財布ごと投じたいところ。
複勝率は4割近い武豊騎手は2勝にとどまっている点が気がかりで、エアスピネルの頭固定に全幅の信頼は置きづらい。その他エルムSに騎乗しない組では岩田康誠騎手が乗れている。

札幌ダ1700mは須貝師の庭

札幌ダ1700m・過去5年の調教師別成績ⒸSPAIA

札幌ダ1700m・過去5年の調教師別成績2ⒸSPAIA

複勝率7割近いデータを見せられては須貝尚介調教師を買うしかない。クラスや馬場を問わず管理馬が面白いように走っており、単回125%・複回158%も文句なし。前走3着以内に限ると【6-1-2-1】複勝率90.0%とさらに信頼度が上がる(唯一の馬券外も4着だった)。騎手データで推奨したアディラートは須貝師の管理馬で、前走マリーンS3着とデータ的にもバッチリだ。
その他グレープブランデーでおなじみの安田隆行調教師も好調。また先日の報知杯大雪HCで管理馬シベリウスが7番人気2着に入った藤原辰雄調教師が須貝師と同数の8勝を挙げている。また出走機会が20回に満たないものの、サトノティターンが出走する堀宣行調教師は【4-1-3-2】複勝率80.0%と凡走が極めて少ない。

過去5年の札幌ダ1700mで馬券になった馬のコース別成績ⒸSPAIA

最後に札幌ダ1700mで3着以内に入った馬における、その他全レースの成績をコース別に紹介。北海道シリーズのダ1700mで快走する馬が多く、特に同コース組は二たび、三たびと馬券になるケースが多い。京都ダ1800mやチャンピオンズCが行われる中京ダ1800mも狙えるコースだ。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。


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