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Friday, March 11, 2022

津波で父と祖父母を失った小学3年生、球界背負う投手に…「悲しみはなかなか消えない」 - 読売新聞オンライン

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 東日本大震災の発生から11年となった11日、被災地ゆかりのプロ野球選手たちや、元横綱白鵬の間垣親方が、被災地への思いや復興に向けた決意などを口にした。

 岩手・大船渡高出身でプロ野球ロッテの佐々木朗は本拠地ゾゾマリンでの試合前、チームメートとベンチ前で静かに目を閉じた。「11年たってもつらさや悲しみはなかなか消えないが、たくさんの人たちの支えがあって野球に打ち込めている。支えてもらった人たちには感謝しかない」

 津波被害を受けた陸前高田市で被災し、父の功太さんと祖父母を失った小学3年生は、周囲の支えで成長し、被災地を代表するスポーツ選手となった。「僕が話すことで当時を思い出してもらい、(被災地を)思ってもらうことに意味がある」と語り、地元の子供たちに対しては、「身近にいる大切な人たちを、当たり前だと思わずに向き合ってほしい」と呼びかける。

 3年目の今季は初の開幕ローテーション入りが内定し、年間を通じたフル回転を目指す。活躍を心待ちにする地元に向け、「試合でたくさん投げて、一つでもいいプレーを多く見せられるように頑張って、喜んでもらえるようにしたい」と、被災地の期待を背負って投げ抜く覚悟を見せた。

 静岡市での楽天―DeNA戦では、試合前に両チームの選手がグラウンドに整列して黙とうした。震災当時も仙台市が本拠地の楽天に在籍し、2013年の日本一の原動力となった田中将は「東北を背負って戦っているし、何か感じ取ってもらえるプレーやチームの戦いを変わらず表現していきたい」と語った。岩手県出身の銀次も「東北の地で活躍して夢や感動を与えなければならない」と誓った。

 大相撲元横綱白鵬の間垣親方は、37歳の誕生日を迎えた11日、報道陣の電話取材に応じた。震災発生時から力士会会長として復興活動の先頭に立ち、現役引退後初めて迎えた節目の日に際して「東北の子を預かって強い力士を育て、東北を元気にしたい」と語った。

 震災発生からの11年を振り返り、「被災した子を10年間応援していくと決めていた。何とか現役を続けて実現できた」とここまでの道のりを総括。コロナ禍の影響で中止されている地方巡業にも言及し、「再開されたら東北へ行き、時間をかけて街の人々と交流したい」と被災地への変わらぬ思いを明かした。

 復興支援では力士会として被災地に土俵を寄贈する取り組みも行った。「その土俵で子供たちが稽古をし、大会に出て強くなっていると聞く。少しずつ成果が見えてきている」と手応えを口にした。

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