ソフトバンクが、米大リーグのレッズ退団が決まった秋山翔吾外野手(33)が日本球界復帰を選択した場合に備え、獲得調査を行っていることが6日、わかった。オリックス戦に敗れ、開幕からの連勝が8でストップしたチームは現在、主軸の栗原陵矢外野手(25)が左膝負傷で戦線離脱中。喫緊の補強ポイントと合致する外野手の動きを注視しながら、V奪回体制を整える。

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レッズ退団が発表された秋山の動向に、ソフトバンクが注目している。三笠杉彦取締役GM(48)はこの日、報道陣からの取材要請に対し、球団を通じて対応。「コメントすることはありませんが、状況は見守っています」と、秋山への関心を明かした。

ソフトバンクは19年オフに、秋山が西武から海外FA権を行使した際にも獲得への興味を示していた。10年ドラフトでは、2位指名を柳田と最後まで迷ったこともあり、かねてからその能力を高く評価している。

秋山はメジャー2年間で、142試合に出場し、打率2割2分4厘、0本塁打、21打点と結果を残せなかったが、西武時代の実績は抜群だ。不動のリードオフマンとして、15年には今も日本記録のシーズン216安打を達成。首位打者1回、最多安打4回を獲得した。打撃だけではなく守備でもゴールデングラブ賞を6度受賞。特に18、19年のリーグ連覇では中心選手として活躍し、いずれも2位に終わったソフトバンクの前に立ちはだかった。

今季のソフトバンクは藤本新監督のもと、8勝1敗と開幕ダッシュに成功している。だが、3月30日のロッテ戦で左翼のレギュラー栗原が左膝を負傷し、長期離脱を余儀なくされている。ここまでは柳町や野村勇の若手を左翼で起用しているが、上位打線を期待でき、外野の守備力も高い秋山は喫緊の補強ポイントと合致する。

秋山はこの日、レッズから退団が発表され、ウェーバーで獲得を希望するMLB球団がなければ自由契約(FA)となる。その場合は、日本球団も含めて移籍先を探すことになる。昨季リーグ4位からのV奪回を目指すソフトバンクは、秋山自身の動向、国内他球団の動きも含めて注視していく。

◆秋山翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日生まれ、神奈川県出身。横浜創学館-八戸大を経て、10年ドラフト3位で西武入団。15年にプロ野球シーズン最多となる216安打。19年には西武の主将も務めた。同年オフに海外FA権を使いレッズへ移籍。NPBではベストナイン4度、ゴールデングラブ賞6度。183センチ、86キロ。右投げ左打ち。